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響きの庭 Ⅱ 〜 5本のファゴットのための (2017)
拍子や秒数などのような、ひとつの基準によって定められた単位によるのではなく、5人の奏者がお互いの音を認知することにより成立するアンサンブルを目的とした。奏者は自らの音を奏する際は常に「その瞬間の音あるいは間(休止)」に依存しており、5人のなかには中心となる存在は無くなり、互いに対等となる。
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ひび割れたアラベスクⅡ (2017)
素材として選ばれているのは、ガラスのような軽やかさと透明感、それが叩きつけられたときのような衝撃とその乱反射というイメージを覚えさせるもの。 そして同時に、力強いダンスのようなエネルギーを加え、もし無機物が生命をもって踊りだすとどうなるか?という面白さを表現したいというのが、この作品の根底にあるコンセプトである。
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モノクローム・アイビー (2016)
ファゴット、フルート、そしてピアノという編成で何ができるかを考えたとき、ピアノの硬質な音による冷たい壁の上を、二本の木管がツタのように絡み合ったり離れたりしながら伸びていくというイメージが想起された。
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パズル・リング (2015)
「回る」、「巡って戻ってくる」というジェスチャーをテーマとした作品。 あるところでは音群がヨーヨーのように躍動感をもって行き来し、また別のところでは異なる複数の要素が歯車のように噛み合って動き続ける。
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星筐(ほしがたみ) (2014)
異なる性格の3つの楽曲から成る小品集。
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ひかりがそらにばかりあったころ (2014)
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溟渤を織る星の糸 (2014; 2015)
かつて夜空というものは、あるところでは天空の一面をおおう一枚の巨大なタペストリーと言われ、またあるところでは金銀に輝く無数の舟が流れつづける広大な海と言われていた。太陽が沈んだあとの群青色の空とまたたく星粒というものは、古代から人を魅了してやまないものであっただろう。この作品は、そういった夜空そのものの美しさとそれにまつわる様々な想像を、そのまま一枚の絵に描くように作った音楽である。
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響きの庭 (2012)
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さびしきみち (2011)
高村光太郎の同名の詩による歌曲。
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緒 (2009-2010; 2014)
「緒」という漢字には、「糸やひもなど細長いもの」「楽器の弦」「長く続くもの」「魂をつなぐもの」「物事のはじめ」という意味が含まれているが、これらはそのままこの作品のコンセプトにつながる。この楽曲は私にとって、創作していくひとつのスタート地点にあたるものである。