パズル・リング (2015)

ピアノ独奏
5′-6′

「回る」、「巡って戻ってくる」というジェスチャーをテーマとした作品。
あるところでは音群がヨーヨーのように躍動感をもって行き来し、また別のところでは異なる複数の要素が歯車のように噛み合って動き続ける。

ひかりがそらにばかりあったころ (2014)

ヴァイオリン、ピアノ
4′

星筐(ほしがたみ) (2014)

ソプラノサクソフォン、チェロ、ピアノ
5′-6′

異なる性格の3つの楽曲から成る小品集。

I. Largo
II. Risoluto
III. Scherzando

溟渤を織る星の糸 (2014; 2015)

オーケストラ
5′

かつて夜空というものは、あるところでは天空の一面をおおう一枚の巨大なタペストリーと言われ、またあるところでは金銀に輝く無数の舟が流れつづける広大な海と言われていた。太陽が沈んだあとの群青色の空とまたたく星粒というものは、古代から人を魅了してやまないものであっただろう。この作品は、そういった夜空そのものの美しさとそれにまつわる様々な想像を、そのまま一枚の絵に描くように作った音楽である。

下地には、我々にも身近な十二星座の恒星の明るさや大きさ、位置、地球からの距離などを数値化したデータが使われている。そこから生まれた音群はばらばらに独立しているようにも、お互いに干渉しているようにも振る舞い、曲のはじめから終わりにかけてひとつのグラデーションを織りなす。

響きの庭 (2012)

打楽器五重奏
12′

第一楽章 「日」

第二楽章 「月」

さびしきみち (2011)

声(アルト)、ハープ
8′-9′

高村光太郎の同名の詩による歌曲。

緒 (2009-2010; 2014)

チェロ、ピアノ
13′

「緒」という漢字には、「糸やひもなど細長いもの」「楽器の弦」「長く続くもの」「魂をつなぐもの」「物事のはじめ」という意味が含まれているが、これらはそのままこの作品のコンセプトにつながる。この楽曲は私にとって、創作していくひとつのスタート地点にあたるものである。

音楽の基本要素のひとつにあたる旋律のふるまいに注目したものであり、以下の三つの楽章ごとに旋律のあり方や関係性が変わってゆく。

I. Aria … 一本の長い旋律
II. Fughetta … 二本以上の旋律が絡み合う
III. Choral … 二本以上の旋律が同時に響く