チェロ、ピアノ
13′
「緒」という漢字には、「糸やひもなど細長いもの」「楽器の弦」「長く続くもの」「魂をつなぐもの」「物事のはじめ」という意味が含まれているが、これらはそのままこの作品のコンセプトにつながる。この楽曲は私にとって、創作していくひとつのスタート地点にあたるものである。
音楽の基本要素のひとつにあたる旋律のふるまいに注目したものであり、以下の三つの楽章ごとに旋律のあり方や関係性が変わってゆく。
I. Aria … 一本の長い旋律
II. Fughetta … 二本以上の旋律が絡み合う
III. Choral … 二本以上の旋律が同時に響く